いろんなことがあった。
生きてるんだから当たり前。
誰でもそうだよ。
そんな風にまとめてしまうには、あまりにももったいないと思うほど
私の時間は、とても贅沢で、幸せな時間だったんだと思う。
人が好き。
昔から、私は人がとても好きだった。
未来がとても怖かった。
いつも、今を大切にしていた。
だから当然、過去に、縛られて生きてきたのかもしれない。
今が楽しい
だから
このままとまってしまえばいいと、 何度も何度もそんなことを思った。
そんな風に、生きてきた。
未来を、夢見てた。
いつも、自分の未来は明るいと、漠然と信じてきた。
それには、その明るい未来を手にするには
自分が必死で何かを我慢したり、努力したり
とてもつらい思いをたくさんしなくちゃいけないんだと、覚悟を決めた。
いつごろなんだろ。
だけど、そんな風に、生きてきたんだ。
会社を設立して独立することになったとき、会社名を何にするかでとても迷った。
知ってる人は少ないかもしれないけど
ライフスタジオがオープンしたとき、最初の1号店は、スタジオメモアだったんだ。
所沢のオープンのとき
これからのことをいろいろ考えてライフスタジオに変えたんだけど
私はメモアという響きがとてもきれいで、好きだった。
気に入ってたから最初名前を変えるといわれたとき
ちょっと悲しかった記憶。
その名前を、会社の名前にした。
李社長に最初に伝えたとき
社長は黙ってうなずいた。
社長に何かを提案して、うなずいてもらえるとき。
あんまりないけど
社長がとても思いを共有してくれているとき。
そのときの表情をしてて
とても嬉しかったんだ。
私がメモアという会社を設立して
代表取締役になった。
自分でしてきたことがあまりにもないから、この肩書きがなんだかとても不釣合いに思えて
普段はあまり表にださないんだけど
それでも
そのおかげなのかなんなのか
一番よかったことがなにかと聞かれたら、自由に時間を調整できるということ。
いつも忙しいとはいえ
全部、自分で調整ができるということ。
だから、旅行に行った。
パリに行ったし
韓国にも、何度も行った。
パリに行く途中
オランダやイギリスによって、大切な人との時間を過ごした。
そして
パリでも素敵な出会いをしてきた。
人生の宝物。
年をとるということが
すごく憂鬱に思えた時期もあった。
まだ若くて、幼かったころ。
特に理由はわからない。
だけど、ただそれがいやだと思ってて
ひたすら憂鬱に過ごしてきた時期もあった。
今は年をとるということが
人との深みを、より、深くしてくれるのだということを、知った。
一緒にいるとか
心の中にあるとか
そういう特別なことではない。
人を好きだと認識すると、それがものすごく特別なことのように思える。
だけど
人を認識することそのものが
人間にとって、どれほど大切なものなのかということを、知った。
仕事をしながらそんなことを考えたり、感じたり
そんな空間にいることそのものが
私の未来は明るいと感じてきたその思いを
すでに実現させているんだと、思ったりもするんだ。
だからこそ、自分に素直に。
自分に、正直に。
私は何を求めているのか?
私は何を思っているのか?
いつから
何を求めて
何が不安で
何が不満なのかが、わからなくなった。
自分に向き合って、そんな自分を見つめることが苦しかった。
いつもがんばって
いつも自分が好きだと思いたいと思ってた。
でも、だめだった。
なかなかそんな風に、世の中きれいごとではすまないんだと思った。
気がついたことはそんなことよりももっともっと、大切なこと。
それでも、受け入れるしかないということ。
つらい現実を受け入れるのではなく
私は、こうなんだという、現実。
だからこそ
その先にいかなければいけないという、思い。
踏みとどまるのではなく
自分を知って、受け入れる。
誰を傷つけることもないんだということ。
とても単純で簡単なことなのに
私は長い時間をかけて、やっとこのことに気がつくことができたのかもしれない。
震災があって、何度も泣いた。
将来への不安や
母親の病状の悪化や
いろんなことが重なったからなのか、今となってはよくわからない。
生きるということについて
そして
共にいるということについて
人を思うということについて
たくさん、考えることになった、期間。
忘れてはいけないこと。
そして、変わらなくちゃいけないということ。
変わらない部分をもつということ。
伝えたいことがあるということに気がついて
必死に、生きたいと思った。
ただそれだけ。
パリから戻って、李社長に、会いに行った。
新しい出発を決意したから。
何度も何度も泣いてきたけど
今回は
嬉涙だったんだ。
たぶんね。
こんな風に私はできてる。
今日開いた本に
「自分のルーツが大切」なんだということがかかれてた。
だからきっと
このヒストリーを書き上げることによって
先に進もうと思ったのだと思う。
一度アップをしたけど
李社長が、書いてくれた手紙。
一生の、宝物。
私は、横に並んで歩くことができるのかな。
社長の表情は、想像つくんだけどね。
たくさんの人が、支えてくれたし
これからも、支えられて生きていく。
写真って
そんな人間くささが一番、素敵にみえる要因になるんじゃないかななんて
写真を知らない私が感じる、写真論。
すばらしい思いをもって
新しいものを、はじめていきたい。